「なあ、彼女は桐香ちゃんとの仲を諦めてるみたいだけれど、桐香ちゃんはどうなの?」

「えっ…」

あたし…?

お母さんを、許すか

許さないか――。


小さい頃から、愛情なんて

なかった。

ずうっと幻の愛情の夢を

見ていた。

ないという現実があっても、

あって欲しいという

夢があった――。