あたしは小さな頃のことを

思い出しながら、

必死に「お願い」と

頼み込んでいた。

やっと幸せを手に入れたの。

壊したくないの。

お願い――…


「じゃあ」

低く冷たい、どこかしこに

傷痕のあるお母さんの体

大切にしてない。

きっとお母さんも

幸せになりたいはずなのに