「雫…帰ろうか」


「大丈夫!!」


私は美南に心配をかけないように無理やり笑顔を作った


昔から、作り笑いは得意だ。私の周りは美南と父以外、本当の笑顔を見せられる人がいなかったから…。友達は美南以外いなかった。パーティーなどでも、寄ってくるのは父の財産目当ての輩ども。誰も私なんか見てくれなかった



「腹減ったし…その辺のカフェにでも入ろう!!ね?いいでしょ?」


「うん…」


美南はきっと…いや、絶対私が作り笑いをしているのをわかってる。だから、こんな悲しい顔をするんだ



「雫…大丈夫?」


「何が?」


「優斗さんのこと…」