感情が高まる


怒り、憎しみ、悲しみ


さまざまな思いが渦をまいていた


周りが全く見えない程に


絶えず電話口からはエースの笑い声が聞こえる


思考回路は完全に回らなくなっていた


「そういえばあの娘、奈津と言ったかな?」


唐突に奈津の名前を出されハッと我に戻った


「奈津…奈津がどうした?まさかテメェ」


「ご安心を、まだちゃんと生きていますよ


そうしないと貴方が指示に従わなくなりますからね」


「いい加減奈津がどこにいるのか教えろ!!

明日の昼まで逃げきろ?意味わかんねーんだよ!!」