そこにあったのは奈津の靴や服の一部分だった


それ以外にあったのは……血の後


真っ赤な血がべったりと床についている


嘘だろ……遅かったのかよ……やだ……やだよ……


「うわーー!!!!」


『俊っ!!』


後ろから聞き覚えのある声が聞こえた


聞き間違うはずのないあの奈津の声


そっと後ろを振り返ると奈津がニコッと笑っていた


服はボロボロになり腕からは血がでていた


辛かったであろう、ずいぶん痩せ衰えた感じだった


でも、でも…無事だった


「奈津!」


駆け寄った俺は奈津を抱きしめた