それを横目で見ながら手の先にあった資料を懐に隠した


何か……何か嫌な予感がしたから


「あいにく、ちょっと取り込んでまして……」


しばらくしてから後藤が沈黙を続けている上沼に煮えを切らし言った


「なんだよ?その取り込んでることって?手伝ってやるよ」


ゆっくり歩み寄ってくる


後藤は歩いてくる上沼を深く観察した


いつもと変わらぬビシッとキメたスーツ


しかしズボンのポケットから、何かがちらりと見えた