「奈津…?奈津なのか?」


そっと、静かに愛しい人の名前を呼ぶ


『うん。俊、あたしだよ』


電話口から聞こえたのは奈津だ、この声、俺の名前を呼ぶ口調は確実に奈津だった


「生きててよかった…ホント良かった」


『何勝手に人を殺してんのよ!(笑)あっでも一旦は死にそうになったけどね。あたし運がいいからさっ。あれ〜?ってか泣いてるの?』


いつもと変わらない奈津に心が温まる


「バッ、ばっきゃろー!俺が泣く訳ねーだろ」


照れながら袖で涙を拭った