怪我の痛みも、エースへの怒り、おっちゃんへの疑問


なにもかもどうでもよくなっていた


今の俊にとって、奈津の存在だけが俺が生きる『意味』だから……


倉庫の出入口はまだ熱の持った鉄の固まりが塞いでいた


何も考えず、無心で両手で掴み力いっぱい投げようとした


両手の手の平は燃えるように熱く、火傷をしていくのがわかった


しかしそれでも離さず、力を込め投げ飛ばそうとした


少しずつだか鉄は動き、そして通路が開かれた