「なっ、なんでもないよ!
じゃあ、私そろそろ行くね。まだ挨拶も残ってるし」

慌てて立ち上がると
光は小さく頷いた。

「そうか。……一階にはもう挨拶に行ったのか?」

「一階?まだだけど」

「……なら警告しておく。
102号室の奴には気を付けろ。
特にお前みたいに抜けてる奴は要注意だ」

「ちょっと、それどういう意味よ?」

「そのままの意味だ」


むかー!相変わらずの憎まれ口!

昔から人の事をバカにする癖は
変わってないようね。


私はテーブルの上に
クッキーを置くと、そそくさと部屋を後にした。