課長。

この半年。

すごく、淋しかったです。

両想いになった途端のハグなし、チューなし半年。


しかも!

課長のくれるメールなんて……


「元気か」

「風邪引くなよ」

「歯、磨けよ」


うちのとーちゃんかと思ったよ!


ああ。

それが……



このチューはまぎれもなく恋人同士のキッスじゃないですか、カチョー♪


しかも、ディープキッスなんて……


ん?


ディヒープキッヒュ??


「は……は……はひょ~…」


か、カチョー……

待って下さい。

し、舌、入ってます。

あのっ!

これは初心者には、……反則……技……です。


課長の唇が、強く抱きしめてくれた腕が全ての思考を奪い去って行く。


やがて、扉を叩く音は消え、部屋の外の足音が遠ざかっていく。




「杉原……」



微かに囁く課長の甘い低音にゾクリと総毛立つ。



ああ。

課長。


私、知りませんでした。


こんなにも課長のこと、好きになっちゃってたなんて。