それでも、爆発した怒りは急には止まらない。


この半年、我慢に我慢を重ねて来た想いが一気に爆発する。

「なんばいいよっとね!よぅ、そぎゃん、男のキャークサレんごとば言えんね」

(和訳しよう:何を言うんですか!よくそんな男の腐ったこと言えますね)


頬を押さえ、課長はただ呆気に取られて、でもじっと私を見つめてる。


そんな冷静な課長の態度は、さらに私の怒りを増幅させる。


「まだちゃぁんと付き合ってもおらんとよ!よくも別れるてんなんてんゆうたい!
うちは、まだ課長のことば好いとって……すい……」

いかん。

不覚にも、涙線が決壊寸前。

くそぅ。

こんな鬼な奴の前で泣いてたまるか!


きっと顔を上げ、課長に負けまいと課長を睨もうとした、んだけど……。


でも……。

あれ?

あれれ?

なんでっ!?

なんで、課長、笑ってるの??


課長は私の頭をポンポンと叩くと、目の前のソファに腰を下ろす。

そして、お腹を抱えるながら全身を震わせ、くくっと笑いを堪えてる。



「な、なんば笑おうとっとですか?」


涙を拭いながら、口をへの字に曲げる。


「本当に、お前は……。俺はお前と別れるとは一言も言ってないが?」



……………へっ?



「俺は謝罪はした。だが、別れるつもりはない」

「ええっ?!」



驚く私に考える隙を与える間もなく、課長の手が私の手を掴んだかと思うと、強引に引き寄せ、私は課長の胸の中に倒れ込んでしまっていた。