今日、課長に会うんだよ!

どんな顔して会えばイイって言うの?

もう、なんか、一生ここから出れなくてもいい気がして来た。

つか、ここで餓死してもいいくらいだ。

さっきお弁当をたらふく食べちゃった自分が恨めしい。


シュンとなって壁の隅っこで、涙を滝のように流している私の背後から、佐久間主任が憐れむような声で話し掛けて来る。


「でも、ま、いいんじゃない?焦って捨てるようなもんでもないし。今までそんなことがないってことは、杉原君の理想がよっぽど高いか……」

「そんな訳無いじゃないですか!ずっと女子校だったし、縁がなかったんです!」

「へぇ~、じゃ、俺と同じだ」

「えっ、じゃ、佐久間主任、まさか……」

私とルイ友?

「んな訳ないだろう。とっくに済みだよ。じゃなくて、男子校だったってこと」

「へぇ~、そーなんですか」

そりゃ、知らなかった。

「理想が高くないとすれば、君は女が好きだとか」

ブンブンと頭を振って思い切り否定する私。

「ふーん……。でなければ……」

「でなければ?」

佐久間主任の言葉を復唱してゴクンと唾を飲み込む。

「君を放っておく男たちの方に見る目がないんだろうな」