やってきたきた!やってきた!


待ちに待った課長との再会の日。


いつもは憂鬱な会社が始まる月曜日も、課長と会えると言うだけで、ハッピールンルンな一日に変わる。


会社が終わったら課長に会える!


いっぱいハグして、で、キスもして……


「や~ん!いいかも」


そして、急遽作っているこのお弁当も「機内でお召し上がり下さい」な~んて、課長にバッチリ手渡しちゃうもんね。

課長、驚くかな。


ありがとう、とかなんとか言って、ぎゅーーーっ!とこう抱き締めてくれちゃったりして。

「きゃっ!」

頬がゆるみ、ついでに、卵焼きを挟んだ箸を持つ手も緩み、卵焼きがべちょっと床に落ちる。


「げげっ。不吉……」


慌てて卵焼きを摘まんで、ゴミ箱に入れる。


「準備オッケー!!」

エプロンを外すと、急いで着替え、ファンデを顔に当てる。

目を瞑れば、すぐそこには広くて大きい課長の温もりがある。はず。

ギューッとエアー抱き締め練習5秒。

ふと薄眼を開けたところで、掛け時計の針が6時半を刺していることに気付き、急いでルージュを引く。

「ヤッバーーーイ!遅刻しちゃう!」

あわてて、バッグにお弁当を入れると、部屋を飛び出し、課長へと続く道をルルンパ気分で駆け出していた。