課長とかぁちゃん、私と大垣さんがそれぞれ話しながらふみねぇの病室に向かう。
「奥田さんって、笑うんですね」
大垣さんが前を歩いている課長を見ながらしみじみ言う。
「最初にあなたとのお見合いの日に空港でチラッと見たときも、それから、僕達の結婚式でお会いしたときも、どこかいつも翳りがあるような印象があったので……驚きました」
「課長が、ですか?」
まぁ、確かに愛想がないって言えばないかも。
最初は私も……。
ああ……、そうかも……。
鬼でも笑うことあるんだって、最初の頃は新鮮に驚いてたっけ……。
あの頃と比べると、課長はかなり人間様になってきたような気がする。
「あ。失礼なこと、言っちゃったらすみません。僕、病室まで先に行って案内しますね」
大垣さんがパタパタと走って、課長とかぁちゃんの前に回りこみ2人を誘導する。
部屋に着くと、ふみねぇと赤ちゃんがいた。
「ふみねぇ!おめでとーー!わぁ~!赤ちゃん、可愛い!!」
まだ手術を終えたばかりのふみねぇはベッドで横になったまま、にこっと微笑む。
「可愛かろぉ?パパに似て」
「いやぁ、そんなぁ~。ふみちゃんに似てるから可愛いんだよぉ~」
2人が赤ちゃんの手とか足とかを摩りながら、本当に幸せそうにしている。
い~な~。
2人とも幸せそう。
そんな2人を見て、かぁちゃんがヒソッと課長に耳打ちするのが聞こえる。
「ほほほっ。次は、あなたたちの番かしら……?」
オーーーノーーーー!!
○△□×■×●▽……!!
かぁちゃん、なんちゅーことをぉぉぉぉぉ!!!
かぁちゃん、今、ナチュラルに地雷ば踏んづけてくれましたね……。
サラサラサラサラ……
(杉原、灰化現象NOW)
灰になって燃え尽きて行く私の耳に、
「ええ。そうですね」
と、にこやかに微笑んで返事を返す課長の声が、かなり遠くでエコーしていた。
「奥田さんって、笑うんですね」
大垣さんが前を歩いている課長を見ながらしみじみ言う。
「最初にあなたとのお見合いの日に空港でチラッと見たときも、それから、僕達の結婚式でお会いしたときも、どこかいつも翳りがあるような印象があったので……驚きました」
「課長が、ですか?」
まぁ、確かに愛想がないって言えばないかも。
最初は私も……。
ああ……、そうかも……。
鬼でも笑うことあるんだって、最初の頃は新鮮に驚いてたっけ……。
あの頃と比べると、課長はかなり人間様になってきたような気がする。
「あ。失礼なこと、言っちゃったらすみません。僕、病室まで先に行って案内しますね」
大垣さんがパタパタと走って、課長とかぁちゃんの前に回りこみ2人を誘導する。
部屋に着くと、ふみねぇと赤ちゃんがいた。
「ふみねぇ!おめでとーー!わぁ~!赤ちゃん、可愛い!!」
まだ手術を終えたばかりのふみねぇはベッドで横になったまま、にこっと微笑む。
「可愛かろぉ?パパに似て」
「いやぁ、そんなぁ~。ふみちゃんに似てるから可愛いんだよぉ~」
2人が赤ちゃんの手とか足とかを摩りながら、本当に幸せそうにしている。
い~な~。
2人とも幸せそう。
そんな2人を見て、かぁちゃんがヒソッと課長に耳打ちするのが聞こえる。
「ほほほっ。次は、あなたたちの番かしら……?」
オーーーノーーーー!!
○△□×■×●▽……!!
かぁちゃん、なんちゅーことをぉぉぉぉぉ!!!
かぁちゃん、今、ナチュラルに地雷ば踏んづけてくれましたね……。
サラサラサラサラ……
(杉原、灰化現象NOW)
灰になって燃え尽きて行く私の耳に、
「ええ。そうですね」
と、にこやかに微笑んで返事を返す課長の声が、かなり遠くでエコーしていた。