部屋に入ると、佐久間主任はまた部屋を出て行って、ウーロン茶を2個、手にして部屋に戻ってくる。
私はソファから立ち上がると、コッホンとひとつ咳をして、ウーロン茶を持って立つ佐久間主任の方を向く。
「あのっ!佐久間主任!!先週話されていたっっ、えーー、その、ヘッドハンティングの件ですが……」
「あー。それはいいよ、お前断るんだろ?」
「えっ?!」
「分かるっつーの。お前さ、朝から断る気満々で、気付かない方が鈍いだろ?」
「あ。そうなんですか……」
力が抜けて、トサッとソファに座り込む。
良かった。
問題解決!
「じゃ、カラオケでも……!」
マイクを握り締めたけど、佐久間主任は深刻な顔してソファに座りながら頭を抱え込む。
「お前を奥田さんと引き離したくて持ち込んだ話だったんだけどな。ここんとこ、お前、ずっと目が土偶になったり、埴輪になったりしてたから……」
「あの……。もっといい表現、ないのでしょうか?」
私の抗議をサラッとスルーして佐久間主任は何かボソボソ言ってる。
「だから、引き離すならこのタイミングだろうと思ったんだけど……」
「私、この会社、好きですから。一番最初の会社で……すごくいい体験させてもらえて心から感謝してるし……」
「そして……一番最初の男にも出会えた?」
「は?」
「寝たんだろ?奥田さんと……」
「ええっ!」
佐久間主任のあまりにもド直球な質問に真っ赤になって後ずさる。
「……やっぱりね」
「さく……っ!」
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
ただ、私の持っていたマイクが床に転がり落ちて……
佐久間主任にソファに強い力で押し倒されて……
貪りつくような激しいキスに頭が真っ白になる。
『特に、佐久間。あいつに気を許すな』
以前言われた、課長の忠告を遠くに聞きながら……。
私はソファから立ち上がると、コッホンとひとつ咳をして、ウーロン茶を持って立つ佐久間主任の方を向く。
「あのっ!佐久間主任!!先週話されていたっっ、えーー、その、ヘッドハンティングの件ですが……」
「あー。それはいいよ、お前断るんだろ?」
「えっ?!」
「分かるっつーの。お前さ、朝から断る気満々で、気付かない方が鈍いだろ?」
「あ。そうなんですか……」
力が抜けて、トサッとソファに座り込む。
良かった。
問題解決!
「じゃ、カラオケでも……!」
マイクを握り締めたけど、佐久間主任は深刻な顔してソファに座りながら頭を抱え込む。
「お前を奥田さんと引き離したくて持ち込んだ話だったんだけどな。ここんとこ、お前、ずっと目が土偶になったり、埴輪になったりしてたから……」
「あの……。もっといい表現、ないのでしょうか?」
私の抗議をサラッとスルーして佐久間主任は何かボソボソ言ってる。
「だから、引き離すならこのタイミングだろうと思ったんだけど……」
「私、この会社、好きですから。一番最初の会社で……すごくいい体験させてもらえて心から感謝してるし……」
「そして……一番最初の男にも出会えた?」
「は?」
「寝たんだろ?奥田さんと……」
「ええっ!」
佐久間主任のあまりにもド直球な質問に真っ赤になって後ずさる。
「……やっぱりね」
「さく……っ!」
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
ただ、私の持っていたマイクが床に転がり落ちて……
佐久間主任にソファに強い力で押し倒されて……
貪りつくような激しいキスに頭が真っ白になる。
『特に、佐久間。あいつに気を許すな』
以前言われた、課長の忠告を遠くに聞きながら……。