翌日の出社は、朝の5時。

結局、一睡も出来なかった。

「……っはよぅございま~す」

フラッフラになりながら、今日も根性でオフィスに入る。

ぎょっとした顔の佐久間主任が飛びのく。

「どっ、どうしたんだよ、杉原君!?目が土偶になってるぞ!」

「……失礼ですよ、佐久間主任」θ_θ

「いや、マジで、ひどい……」

自分のデスクに向かいながら、今日こそは課長の猛攻撃に遭ったとしても、踏ん張って答えようと思う。

恋で痛手を受けても、せめて、仕事だけでも……。

情けない女だなんて思われたくない。

「おい、どうしたんだよ。さっきっからボーーーーっとして。

俺の言ってること、聞こえてる?」

「えっ?!すみません。聞いてなくて……」

「大丈夫か?」

「大丈夫です。さ、行きますよ」

佐久間主任の鋭すぎる視線は今の私にはつら過ぎる。

さっさと、会議室に行ってしまおう。

だけど、行きかけた私の腕を佐久間主任が掴んで引き止める。

「しっかりしろよ!さっき、会議は中止になったって言ったばっかりだろ?」

「中止?……何があったんですか?」

「今朝、バンカメ側から連絡があったんだよ。奥田さんが倒れたって」