課長はTシャツを脱ぎ捨てると、私を仰向きにさせる。

そして、私をまたぐと深く熱いキスをする。

キスを受けながら、思いがあの日に戻る。

課長と初めて会ったとき、「イケメンじゃ~」なんてお気楽に思った。

でも、その次の瞬間、「鬼じゃ~」と言うことにすぐに気づかされる。

だけど、課長の言うことは(中にはムチャ振りもあったけど)、いつも正しかった。

何も出来なかった私に、「バカヤロ!」なんて怒鳴りながらも、きっちり仕事を教えてくれた。

課長はいつも私を厳しく、(たまに)優しく、導いてくれた……。

課長の唇が胸先を弄び、そして、手がお腹からさらに下へと伸びたところで慌ててその手を押さえる。

「いやか?」

課長の問いに頭を振る。

いやと言うか……

怖いと言うか……

恥ずかしいと言うか……

「その……私、は、初めてで……」

「知ってる」

やっぱ、あの白子事件でのカミングアウト、課長もしぃぃぃっかり聞いちゃったらしい。

「だから……その……」

課長の手を握り締めた手に汗が滲む。

そんな私のまぶたに課長がチュっとキスをする。

「俺が教える。

お前のことをどんなに大切に思っているか……。

どんなに愛しているかを」