やばい!

ドアまで遠い。

しかも、鍵を掛けてない。

「大丈夫か?開けるぞ」

ちょ、ちょ、ちょっと待って~!!

急いで、かごに置いてあるバスタオルを体に巻く。

セーフ!

額の汗を拭っていると、カチリとドアが開き、課長と目が合う。


課長、固まる。

私も、固まる。


・・・・・・課長、目が点になってます。


私は、そろ~りそろ~りと後ろすり足で後退する。

そして、なんとかバスルームの扉を開けて、さっとその陰に身を隠す。


「あ、あのぅ……。しっ、下着を洗ってしまって、ですね。

でっ、きれば、かわっ、かわっ、乾かしったいんですが」


チョーかみかみに何とか答える。



「……ああ。なら、乾燥機を使うといい」

「乾燥機?」

課長がツカツカと中に入ってきて、洗濯機の「入」ボタンを押す。

「この洗濯機は、乾燥機能もついているからこれで乾かせる。

乾燥するのは……」

「ちょ、ちょっと待ってください」

私は、手の中に下着を隠して、急いでバスルームから出て、乾燥機に入れる。

そして、やっぱり、ドアの向こう側にそそくさと隠れる。

乾燥機がグラングランと音を立てて回り、私の下着がグルグル回る。


「出来上がるまでに、1時間半掛かるみたいだぞ」

課長が回っている下着を見ながら、固まってるっぽい。

「ええっ?!そんなに?」

「それまで、入っている気か?」