えっ？！

そんなまさかの初対面！！

なのに、エレベーター美女の笑顔はメチャ親しげ。

しかも、非の打ち所のない美貌に圧倒される。

「私、ずっとあなたにお会いして、お話……」

美女が話し始めたとき、ケータイの着信音が鳴る。

「お話したいと思って……」

それでも、強引に話を続けようとする美女の言葉を遮るように電話が鳴り続ける。

「あのぉ、電話、出られた方が」

「そうね。ちょっと、ごめんなさいね。すぐに済ませるわ」

美女がくるりと背を向け、間合いができたことでホッとする。

「もしもし。あら、お久し振りね。あなたから電話してくるなんて、珍しいわ」

どうやら、知り合いからの電話らしい。

「そう、覚えていてくれて嬉しいわ。……お礼なんていいのよ。そうだわ。あれから彼女とはうまくいってるの？……え？」

込み入った話になったみたいだったので、私は「失礼します」と、彼女の前に回りこみ、一礼して去ろうとした。

「ちょっと、お待ちになって！」

美女は慌てた様子で、私の腕にそっと手を添え、引き止める。