いやいや。
石になってる場合じゃないし!
このままここにいたら、二人と鉢合わせだ。
いや~ん。
どぉ~したらいいのぉぉぉ~。
ワタワタオロオロとカエル泳ぎしていると、突然、課長がぷっと吹き出す。
「どうした?」
専務の訝しげな声に、課長は、「いえ…」と肩を震わせながら笑いを噛み殺している。
専務がクルリとこちらに振り向こうとしているタイミングを察し、私は慌てて扉の陰に身を隠した。
ドキドキする~。
心臓が口から飛び出しそう。
見つかった?それともセーフ??
抜き足差し足でその場から離れようとした時、課長の聞きなれた低音の美声が耳に届く。
「では、失礼します」
ツカツカとこちらに向かって歩いてくる課長の足音に、やばい!と思い、駆け足で厨房に戻ろうとした私の頭を、課長が背後からガッシリと掴む。
ひゃ~~~~!
「すみません!課長、私っっ……見るつもりじゃ」
頭を下げる私の目の前に、何かがヌッと差し出される。
「オレンジキュラソーはこれでいいのか?」
「……へ?」
「オレンジキュラソー」
忘れてた!!
「これっ!これです!!ありがとうございます。急いで戻らないと……」
課長の手からオレンジキュラソーをもぎ取ると、厨房を目指して、駆け出そうとする私の腕を再び課長が掴む。
「遅れてすまなかった。だが、礼は、言葉よりこっちの方がいいな」
課長がそっと奪うように私のくちびるにキスを落とす。
石になってる場合じゃないし!
このままここにいたら、二人と鉢合わせだ。
いや~ん。
どぉ~したらいいのぉぉぉ~。
ワタワタオロオロとカエル泳ぎしていると、突然、課長がぷっと吹き出す。
「どうした?」
専務の訝しげな声に、課長は、「いえ…」と肩を震わせながら笑いを噛み殺している。
専務がクルリとこちらに振り向こうとしているタイミングを察し、私は慌てて扉の陰に身を隠した。
ドキドキする~。
心臓が口から飛び出しそう。
見つかった?それともセーフ??
抜き足差し足でその場から離れようとした時、課長の聞きなれた低音の美声が耳に届く。
「では、失礼します」
ツカツカとこちらに向かって歩いてくる課長の足音に、やばい!と思い、駆け足で厨房に戻ろうとした私の頭を、課長が背後からガッシリと掴む。
ひゃ~~~~!
「すみません!課長、私っっ……見るつもりじゃ」
頭を下げる私の目の前に、何かがヌッと差し出される。
「オレンジキュラソーはこれでいいのか?」
「……へ?」
「オレンジキュラソー」
忘れてた!!
「これっ!これです!!ありがとうございます。急いで戻らないと……」
課長の手からオレンジキュラソーをもぎ取ると、厨房を目指して、駆け出そうとする私の腕を再び課長が掴む。
「遅れてすまなかった。だが、礼は、言葉よりこっちの方がいいな」
課長がそっと奪うように私のくちびるにキスを落とす。