硬直した二人の間に割り込むように、KY横田が無邪気に解説を始める。
「そうなんですよ!奥田取締役。僕もついさっきまで、佐久間主任と杉原さんが付き合っているなんて知らなくて!キスした後も、見つめあったりして、なんかこう、いい雰囲気で……」
「見つめ……合う?」
課長の右眉がピクンとつり上がる。
あーもーーーー。
黙れ!KY横田!!
「違います!あれは急だったから、ボーゼンとしてしまって。見つめ合ってなんか……」
こめかみを押さえつつ、私は何とか弁明の言葉を振り絞る。
「いたいた。探したぞ。杉原君は見つかったのか?横田」
ビッミョ~~~な雰囲気の中、噂の主、佐久間主任登場。
横田の指し示す人差し指の延長上に私を見つけた佐久間主任が、「なんでこんなところにいるんだよ。榊室長に連れられて行ったっきり戻ってこないし。探したじゃないか」と言いつつ、歩み寄りかけて、ストップ。
佐久間主任、苦みつぶした鬼顔の課長に気付いた模様。
「奥田……取締役」
小さく呟くと、佐久間主任はペコリと頭を下げる。
「このような場に、このような格好で失礼致しました。すぐに退散いたしますので」
佐久間主任は私の腕を掴み、出口に向かおうとする。
だけど、その行く手を課長が制する。
「杉原に何の用だ?」
「厨房の人手が足りなくて。彼女の応援が必要なんです」
「もうデザートだから、そんなに人手が必要とも思えないが」
ひ~え~……
なんだか火花が散っているような気がするのは気のせいかな?
……いや、気のせいだろう。
うんうん。
そうだ。
気のせいだ。
気のせい!
あははっ……
「でも、今の僕には彼女の存在が必要なんです」
佐久間主任の言葉に、目が点になる。
今、なんば言ったと?この人??
佐久間主任はペコリと頭を下げて、今度は私の肩に手を回し、半ば強引にその場を立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください!佐久間主任!」
佐久間主任の手を振りほどこうとした時、
「杉原!」
私の名前を呼ぶ課長の声に慌てて振り向く。
「そうなんですよ!奥田取締役。僕もついさっきまで、佐久間主任と杉原さんが付き合っているなんて知らなくて!キスした後も、見つめあったりして、なんかこう、いい雰囲気で……」
「見つめ……合う?」
課長の右眉がピクンとつり上がる。
あーもーーーー。
黙れ!KY横田!!
「違います!あれは急だったから、ボーゼンとしてしまって。見つめ合ってなんか……」
こめかみを押さえつつ、私は何とか弁明の言葉を振り絞る。
「いたいた。探したぞ。杉原君は見つかったのか?横田」
ビッミョ~~~な雰囲気の中、噂の主、佐久間主任登場。
横田の指し示す人差し指の延長上に私を見つけた佐久間主任が、「なんでこんなところにいるんだよ。榊室長に連れられて行ったっきり戻ってこないし。探したじゃないか」と言いつつ、歩み寄りかけて、ストップ。
佐久間主任、苦みつぶした鬼顔の課長に気付いた模様。
「奥田……取締役」
小さく呟くと、佐久間主任はペコリと頭を下げる。
「このような場に、このような格好で失礼致しました。すぐに退散いたしますので」
佐久間主任は私の腕を掴み、出口に向かおうとする。
だけど、その行く手を課長が制する。
「杉原に何の用だ?」
「厨房の人手が足りなくて。彼女の応援が必要なんです」
「もうデザートだから、そんなに人手が必要とも思えないが」
ひ~え~……
なんだか火花が散っているような気がするのは気のせいかな?
……いや、気のせいだろう。
うんうん。
そうだ。
気のせいだ。
気のせい!
あははっ……
「でも、今の僕には彼女の存在が必要なんです」
佐久間主任の言葉に、目が点になる。
今、なんば言ったと?この人??
佐久間主任はペコリと頭を下げて、今度は私の肩に手を回し、半ば強引にその場を立ち去ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってください!佐久間主任!」
佐久間主任の手を振りほどこうとした時、
「杉原!」
私の名前を呼ぶ課長の声に慌てて振り向く。