立った途端に、目の前を白い直線が走る。
なぁ~んも見えんかった。
……課長。
女だからって、手加減しないつもりなんですね。
それなら、私だって、本気で行かさせて頂きます!!
目を開いても何も見えないんだったら、と、次の2球目を、目を瞑って思いっ切り振り切る。
カキィィィィィ……ン!
手応えを感じると同時に、「おおっ~!」と言うどよめきが周囲から起こる。
そして、次の瞬間、また別のどよめきが起こる。
「えっ!」
「うそ!!」
「おおっ!」
「キャーーッ!!」
……何?
この反応は??
恐る恐る、目を開くと課長がマウンドでうずくまっているのが見える。
「課長!どうしました?」
バッドを投げ出し、マウンドに駆け付ける。
「大丈夫か!?奥田君」と、なぜか笑ってる部長。
「あれは痛いぞ~」と、眉をしかめる吉田さん。
「杉原さんの査定が」「査定が……」と、どよめく周囲の声声声。
一体何が起こったの?
訳も分からず、課長の顔を覗き込む。
「課長、大丈夫ですか?」
課長は歯を食いしばりうずくまったまま、声も出ない。
しかも、脂汗が出てる。
私が返したピッチャー強襲のライナーが課長のどこかに当たったらしい。
「課長!今、冷却スプレーを!」
急いでベンチに戻ろうとする私の肩を部長ががしっと掴む。
部長は伏し目勝ちに、ふっと溜息を吐く。
「そっとしておいてやりなさい。いや、彼はもういいから、杉原君、車で送って上げたまえ」
「い……え、部………ちょ……彼女、の、運転だけ……は」
呻くように答える課長の顔は、ものすごい汗だくだ。
私のせいだ。
ものすごく責任を感じる。
「はい!分かりました。部長!私、責任を持って課長をお宅までお届けします!」
私は急いで課長のバッグを肩に担ぎ、運転席に乗り込む。
なぁ~んも見えんかった。
……課長。
女だからって、手加減しないつもりなんですね。
それなら、私だって、本気で行かさせて頂きます!!
目を開いても何も見えないんだったら、と、次の2球目を、目を瞑って思いっ切り振り切る。
カキィィィィィ……ン!
手応えを感じると同時に、「おおっ~!」と言うどよめきが周囲から起こる。
そして、次の瞬間、また別のどよめきが起こる。
「えっ!」
「うそ!!」
「おおっ!」
「キャーーッ!!」
……何?
この反応は??
恐る恐る、目を開くと課長がマウンドでうずくまっているのが見える。
「課長!どうしました?」
バッドを投げ出し、マウンドに駆け付ける。
「大丈夫か!?奥田君」と、なぜか笑ってる部長。
「あれは痛いぞ~」と、眉をしかめる吉田さん。
「杉原さんの査定が」「査定が……」と、どよめく周囲の声声声。
一体何が起こったの?
訳も分からず、課長の顔を覗き込む。
「課長、大丈夫ですか?」
課長は歯を食いしばりうずくまったまま、声も出ない。
しかも、脂汗が出てる。
私が返したピッチャー強襲のライナーが課長のどこかに当たったらしい。
「課長!今、冷却スプレーを!」
急いでベンチに戻ろうとする私の肩を部長ががしっと掴む。
部長は伏し目勝ちに、ふっと溜息を吐く。
「そっとしておいてやりなさい。いや、彼はもういいから、杉原君、車で送って上げたまえ」
「い……え、部………ちょ……彼女、の、運転だけ……は」
呻くように答える課長の顔は、ものすごい汗だくだ。
私のせいだ。
ものすごく責任を感じる。
「はい!分かりました。部長!私、責任を持って課長をお宅までお届けします!」
私は急いで課長のバッグを肩に担ぎ、運転席に乗り込む。