その時…森の中には狼がゆっくりとした動作で歩いていた。

狼といっても人狼。
見た目はごく普通の青年だった。

青年--否、狼は白、というより銀色に近い前髪とほんの少し長い茶色の髪をしていた。

背は普通の成人くらいで体つきはしっかりしているが、腕はそれと比例して細くて華奢なものだった。

肌の色も白く、綺麗な顔立ちでどこぞの貴族のようなイメージを持たせるが、乱暴な歩き方がそれを消した。