彼女が出してくれた
特大のすももの飴に応えるように、
彼女に迫りくる暗(やみ)を打ち消すように


そして、自分に言い聞かせるように言った。



「治そうよ、一緒にさ。そして治ったら、うまい飴でもさ探しに行こう」

「…どこでも?」

「うん。」

「北海道でも?」

「うん。」

「オーストラリアでも?」

「うん。」

「…一緒に?」

「もちろん」