ふと顔を上げると、どこから入ってきたのか1匹のトラツグミが病室にいた。
そのトラツグミはあたしの肩にちょんと乗った。
あ……
もう何年も会えなかった、あたしの探してたライだって何故か分かる。
ライがあたしのこと鵺に伝えてくれたんだね。
ライは肩から離れ、鵺の枕元に移動した。
「……っ!」
段々と鳥ではない姿に変わっていく。
それはなんとも言えない姿で、もしかしたら妖怪の鵺なんじゃないかと思った。
頭は猿で胴体は狸、手足は虎で尻尾は蛇という不気味な姿だった。
それでも不思議と恐怖は感じない。
あたしはそれがライだって分かっていたし、ライも攻撃するような素振りは見せなかった。