「ふふ、もう気付いたかしら?鵺はトラツグミに聞いて、鈴って名前だけで貴方を探していたのよ」



あたしは一気に忘れていた昔の記憶を思い出した。


あたしが名付けたトラツグミのライが、まさか鵺の友達だったなんて……


「鵺はその話を何度も私にしてくれたわ。早く会いたい……って」


自然と涙が零れる。


あたしが思うよりずっと前から、鵺はあたしのことを思ってくれてたんだね。


「……私は鵺に思われてる貴方が羨ましかったわ。そしてその貴方が鵺を危険に晒した」


湊さんは責めるような言い方はしなかったけど心苦しい。


当たり前だよ。だって湊さんは幼い頃から鵺を大切に思ってた。


なのに、あたしは鵺を傷つけた。


もしかしたら1番辛いのは湊さんなのかもしれない。