こんなに過去のあたしと近い距離にいる。


幸い向こうはあたしに気付いてないようで良かった。


混乱したあたしは立ち止まってしまった。


どうしよう……引き返そうかな。


キキィーーーッ


大きなブレーキ音が耳に響く。


そこからは全てがスローモーションで見えた。


あたしは道路の真ん中にいた。


ハッと気付いたら横から向かってくるトラック。


その大きなブレーキ音で振り返ろうとする過去のあたし。


もう何もかも間に合わなくて、あたしは死に直面した。


走馬灯のように色んな思い出が蘇る。


最後に鵺の顔が見えた。


……あたしの気持ち、伝えれなくて……悔しいよ……