あたしは走って走ってあの鵺のいる店を目指した。
気付いたらどんどん膨らんでいく気持ち。
寝癖のついた髪型。いつも真面目な顔つき。たまに見せる優しい笑顔。
こんなにもあたしは鵺に会いたい。
まだ何も鵺のこと知らないけど、会ったらいっぱい話そう。
好き。好き。
よく分からないけど、胸が張り裂けそうで涙が出た。
どこまでも一直線で1つのことしか目に写らないのは、あたしの悪い癖。
どうしてこんなに間抜けなんだろう。
もっとちゃんと注意して行動しなくちゃいけなかったのに。
ほんの何メートルか先には、過去のあたしたちがいた。