武宏たちがデートしてるのが見え、過去のあたしたちが驚愕してるのが遠くからでも分かった。
あたしは高鳴る鼓動のまま、急いで武宏を追いかけた。
「た、武宏っ!」
「ん……?あ、鈴か!」
武宏は快く返事してくれたが、彼女さんは少し居心地が悪そうだった。
ごめんね。でも、今しかないの。
「話があるの。……彼女さんも一緒に」
固い雰囲気のままあたしたちは沈黙になった。
今になって何から話せばいいのか混乱してきた。
やっぱり何言うかちゃんと考えてれば良かった……!
「えと、あの……」
率直に、好きです。って言おうと思った。
あれ……、なんか違う。
この言葉は武宏に伝えるものじゃない。