あたしはそれから店番を手伝いながら普通の日々を過ごした。
鵺は寝るのが朝方で起きるのがすごく遅いことを知った。
たまに髪に寝癖がついてて可愛いかったり、静かに近寄っても必ずバレちゃうことも分かったし、目が極度に悪くて、眼鏡を外したら全然見えないらしくてよくどこかにぶつけたりしてた。
鵺も少しずつあたしに心を開いてくれて、そしてあたしも心を開いてる。
そしてこの数日間の間に、またしても湊さんと会った。
女のあたしが見てもやっぱり湊さんは美人だ。
「鵺!久しぶりね」
湊さんは鵺に体当たりするくらいの勢いで駆け寄る。
そしてあたしの方を向いて一言。
「あら、貴方まだいたのね。名前忘れちゃったけど」
……本っ当、失礼な人!