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月の光が綺麗に見える夜。

穂波は必死で逃げようとしていた。

「もうやだ……っ!助けて!怖い……!」

あたしにはどうすることもできず、雪久くんに助けを求める。

「もしもし雪久くん!?お願い!穂波を助けて!」

『崎野さん!?何があったんですか……!?』

あたしの切羽詰まった声に雪久くんも驚いていた。


「穂波が……っ!とにかく早く来てっ!」

「鈴ーっ!早く……助けて…っ!」

穂波の叫び声が受話器ごしの雪久くんにも伝わったようだ。

『、穂波さんっ!!今行きますから!』


急いで切られた電話に、あたしはすぐ雪久くんが来てくれることを確信した。

それにしてもあたしが仕組んだこととはいえ、この光景は間抜けだ……