「とにかくあたしに任せて!」

「あんたに何ができんのさ……」

さっきまで慌てて可愛いかったのに、今はすっかり冷たい穂波に戻っていた。


でも本心はちゃんと分かってるよ!もう素直じゃないんだからー!

よし!親友の穂波の為に一肌脱ぎますか!


―――――


今度は雪久くんが通ってる塾にやって来た。

穂波から詳しい話を聞くと夕方頃に塾は終わるらしい。

そしてちょうどよく生徒が中からずらずらと出てきた所だった。


「雪久くん!」

「あ、確か……」

「崎野鈴です!時間あるならちょっと話ししない?」


勿論あたしは穂波のことについて話に来た。

それなのに雪久くんはどうやら勘違いをしてしまってる様子。


「いえ!俺好きな人いるんで、すいません!」

「え!?あの、そうじゃなくてね、」


雪久くんは律義にもお辞儀をして歩いてった。

ちょっと待って!あたしは穂波のことを話しに来たのにー!