穂波は小さく溜め息を吐いた。

「はあ……別に隠すつもりじゃなかったんだけど、恋愛を否定してるあたしが男子と帰ってるだなんて言いにくくて……」

そうだったんだ……。少しだけ穂波が遠くなって寂しく感じてたけど、そういうことじゃなかったんだ。


「あ!でもそれって、嫌々一緒に帰ってる訳じゃないの?」

あたしがそう聞いたら穂波の耳が真っ赤になる。

「べべ、別に好きって訳じゃないけど!そ、そう!帰る方向と時間がちょうど一緒だっただけ!何回か偶然が重なったってだけだから!」

焦った様に話すのと口数が多くなるのは、穂波が図星を当てられて困ってる時のサイン。

伊達に親友やってないって!


穂波は顔までも赤くなり恥ずかしそうにしていた。