鵺は何事もなかったかのように出ていく。


……なんかムカつく!

そりゃ着替えを貸してくれるのは有り難いけど、完璧意識してるのはあたしだけじゃん!

子ども扱いされてるっ!

湊さんみたいにスタイルは良くないけど、あたしだってもう子どもじゃないんだから!


肩を怒らせながらもバスタオルで身体を拭いて、用意してくれた着替えに手を伸ばす。

下着も着替えも未開封のまま置いてあった。まさか買いに行ってくれたのかな……?

あたしは用意してくれたそれに着替えて暖炉のあった部屋に向かった。


「お腹すいてるでしょう?」

暖炉の火が真っ赤に反射して部屋じゅうを照らしてる。

鵺は小さめのソファに読みかけの本を置き立ち上がる。

木でできたテーブルには鵺が作ったのか、簡単な軽食が置いてあった。