「鵺!」

あたしが声を上げる前に湊さんは鵺に近付く。

大人らしい雰囲気は一変し、甘える子どものように可愛らしくなった。


「おかえりなさい」

「湊、来る前に連絡してくれっていつも言ってるだろう」

鵺は湊さんを見下ろし溜め息まじりに呟く。

2人は一体どういう関係なのか見当もつかないけど、親密なことはあたしにも分かった。


「店番ありがとうございました。2階はご自由に使ってください」

あたしに丁寧にお礼をし、ドアには木に書かれたCLOSEの看板をぶら下げる。

そして奥の部屋に湊さんを連れていった。


あたし1人だけ残されちゃったから、とりあえず2階に上がる。

2階は木造の古ぼけた住居になっていた。暖炉とかあって洋風な家みたい。

とりあえずお風呂を借りようとその辺を歩き回った。