独特な音色はとても澄んでいて心が洗われるようだった。
鵺はトラツグミたちと気持ちが通じ合ってるんだね。
「鵺とトラツグミの関係は古くから色々な説が云われています。神やその子、師弟や兄弟説など色々ありますが、私はこのトラツグミたちと仲間だと思っています」
鵺は肩にとまっていた1羽の鳥を愛しそうに撫でる。
妖怪だとかつついて攻撃してる姿だとかで、トラツグミに対して少し畏怖していた気持ちが和らいだ。
人間と鳥の間に芽生えた絆は、深いものだと目で見ても分かる。
「さあ着きましたよ。行く場所がないのでしょう?」
いつの間にか目の前には摩訶不思議装飾屋があった。
泊まっていって下さい、と強引に背中を押される。
ちょ、ちょっと待ってよ!そんな鵺と2人きりだなんて……
泊まるだなんて……
仮にも男の人と一晩を過ごすなんて考えられないよっ!