外は極寒と言っていいくらい寒く、震えるほどだった。

そして過去から来たとはいえ、女子高生のあたしが1人で外を出歩くのは危険な気がする。


でも今のあたしには行くあてもない。唯一のあの店からも出てきてしまった。

寂しいな……。今頃武宏たちはまだ2人でいるのかな……


寒いし寂しいしおまけに怖いし、ついには泣き出してしまいそうになりしゃがんでしまった。

過去に戻るのもいいことばかりじゃないな……


半泣きの状態でいると、あたしの頭上に何か気配を感じた。

「寂しいねえ。1人でいるのかなー?」

「お金あげようか?もちろんタダじゃないけどなー」

見上げると中年の男たちが酒臭い息を吐きながら笑っていた。


馬鹿にしたような笑い声と嫌味な言葉に、恐怖よりも虚しさやら怒りが込み上げてきた。