こんな冬の日に汗をかくほど全力疾走したら、なんとか5分前に学校に着くことができた。


自分のクラスに向かう前に、まずはトイレの鏡で最終確認。


走って乱れた髪を軽く梳かし、もう1度リップクリームを塗ってニコッとスマイル。


えへへー完璧だー、なんて思っていたらチャイムを聞き逃してしまったみたいだった。


スキップでもしそうなほど上機嫌で教室に入ったら、先生がもう教壇に立っていた。


「崎野、遅刻だぞ!」


「えっ!嘘!」


早起きしたのに、こんなのってないよ……