まさかそんな、本の中だけのファンタジーな出来事が起こるはずがない!


『過去にでも戻ったのかもしれませんね』


昨日あの怪しい店の怪しい店員が言ってた言葉をふいに思い出した。

……やっぱり、過去に戻ってきたの!?

どっちにしろあの怪しい店にもう1度足を運ぶしかない。

あの男なら、きっと何か知ってるはず。


こんな変な時計、買わなければ良かった!


あたしはすぐさま身支度をし、失恋の傷も忘れるくらい急いで家を出た。




―――――


はあ…はあ……

昨日行った場所を振り返ってみても、あの陰気臭い店は見当たらなかった。

と言っても武宏たちから隠れるのに必死で、どの辺にいたかあまり正確には覚えていない。


外は寒くてあたしの体力は急速に減っていく。

途方に暮れていると、1つのいいアイデアが閃いた。