「あ、でもその時にはあたしに彼氏いるかもね!」
「…それは困ったな」
「もしかしたら結婚とかしてるかも」
「………」
「それとも……鵺のこと忘れちゃってるかも……」
「………鈴、」
「あたしも引っ越して、この街から離れちゃって、もう……一生会えなかったら……」
「鈴、」
やっぱり別れは辛くて、不安に押し潰されそうになってたあたしの頭にぽん、と手を置いた。
「また会える。俺は何年も鈴を探してきて、現に今こうして会えてる」
「……う、ん」
「だからまた何十年かかっても見つけてみせる」
もう何も言えなくなった。あたしは何度も頷いて涙を拭った。