でもその気持ちを告白できずにいた。
大事な人を傷つけたのに、あたしにそんなこと言う資格なんてないと思う。
もしかしたら鵺だってあたしの気持ちに気付いてるのかもしれない。
でも資格がなくたって鵺が気付いてたって、言わなくちゃいけない気がした。
……あたしは何か重大なことを忘れてる気がする。
あたしは店の中に入り鵺の後を探した。
2階にいるのかなと思い階段を駆け上がる。
「なに……これ……」
鵺は丁寧に掃除をしていた。
それは当たり前の行動だったけど、今のあたしにはある予感がよぎった。
いつの間にか綺麗になった部屋。ソファも木のテーブルもなくなってた。
鵺のいた証が何1つなくなってた。