太陽の光が
雪に反射し、
煌めく街並み。


それを見ながら、
須藤は
缶コーヒー片手に、
煙草を吸っていた。



「須藤さん。
課長が呼んでますよ」
立花が駆け足で
呼びにきた。


「課長が?
なんやろな?」
須藤はまだ半分ほどしか
吸っていない煙草を、
灰皿でもみ消した。



捜査本部が設けられた、
所轄警察署の会議室に、
佐々木はいた。


須藤がドアを開けると、
佐々木がいった。
「須藤、どないや?」


須藤は佐々木に、
聞き込みの結果を
報告した。


「被害者はどうやら
殺害される前に、
神楽に立ち寄ったみたい
です」


「アルバイト先に?」


「はい。
シフトの確認に来て、
十五分ほどで
帰ったそうです。
その時、特に変わった
様子は、
なかったと言うてました」


「正確な時間は
わかるか?」


「午後十時半頃だと
店長が覚えてました。
ちょうど予約客の
確認をしていて、
時計を見ていたから
間違いないようです」


「そうか。
それやったら犯行時刻を、
もう少し絞れそうやな」
佐々木は腕組みをし、
ホワイトボードの前へ
移動した。


「神楽から現場までは
どれくらいや?」


佐々木の問いに、
立花が答えた。


「寄り道をしなければ、
十分程だと思います」



死亡推定時刻は昨夜、
午後十時から
十一時半の間。
十時半から十五分間
アルバイト先に居て、
そこから現場に
向かうと、
十一時前後だ。


犯行時刻が、
十一時からの三十分間に
絞られ、
捜査員達に伝えられた。