そう その日はその人との
半年の記念日






2人で出掛けようって話になって
少し遠出することにしたんだ









その人の様子がおかしいと
朝 出会ったときから
気付いてた






ううん
おかしかったのは
ここ最近な気もする






でもあたしは別にその理由を
聞かなかったし
聞こうともしなかった









なんでかな
いつもあたしを笑わせてくれるその人が
その日は一度も笑わなかった












そう
その日の帰り道で あたしたちは
お別れしたんだ












その人はあたしに言った









好きじゃなかったよね



って



なんか無理に付き合わせちゃって
ごめんな



どうして?
どうしてそんな風に思ったのかな



あたしは尋ねた



そしたらね



好きだったからさ
毎日 見てたら分かるよ



って



どうして どうしてそんなに優しいの



その優しさに甘えてた自分に
腹が立った



あたしはこんなにも優しい人を















傷つけてしまったの






そして思った












気持ちがないのに付き合っちゃだめだ






ううん、恋するのをやめよう



って












そう思った時からあたしは
自分の気持ちに鍵をかけた



もう恋なんてしないように



決めたの






西日の眩しい初夏の出来事だった