『響子あのな』

「搬送先の病院、教えて」

『響子!!』

「教えてタカちゃん!!」


行かなきゃ


トオルの所に


会いに


行かなきゃ…


さっきまで出なかった涙が、溢れてくる。


不安と焦燥感


頭の中がパニックだった


『奥さんがいるだろ!!』


孝之が怒鳴った。


ああ、そうか。


旦那が死んだんだもんね


来るに決まってるよね。





だから、何だよ






あたしは完全に愛人のルールを破ろうとしてた。


破る気でいた。