「新、記憶……」 それって、記憶無くなる前の話だよね? 「戻った」 平然な顔で言う新。 「は?!何時!!」 すると、新の口がニヤッと三日月形に弧を描く。 「さっき、陽花とキスしたとき」 あたしの顔が一気に熱を帯びる。 「ば…バカ…ッ」 そんな挙動不審なあたしを見て、新がクスクス笑う。 「ね、陽花。聞いてもいい?」