目を閉じれば、沢山の思い出が蘇る。 その中であたしが一番鮮明に覚えているのは、 新の笑顔。 人間は何かしら心に闇を抱えて生きている。 その笑顔の裏に何があるかなんて、 あたしは知る由もなかったんだ。 何一つわかってあげられなくて。 新が苦しんでいたなんて、知らなかった。 新が一人で抱え込んでいたなんて、知らなかった。 あたしに助けを求めていたなんて、知らなかった。