でもきっと、それ以上に新は苦しかったのだろう。 記憶が無い中で、我武者羅に生きて来たのだろう。 ――あたしの口が、勝手に動く。 「今、新は何処にいるの?」 「多分、駅前のカフェのバイト…あ、もう終わっちゃってるかも…」 ――あたしの足が、勝手に動く。 気付けばあたしは、駅へと走っていた。