混乱する頭で整理した内容は二つ。


火宮で剣舞により殺された王と血縁があること。

母である女性が、幽閉される直前に、たまたま舞師として祝賀に訪れていたジルの妹に、オリビアは預けられ逃がされたということ。


そうやって、逃がされた後は、ヴォルハムンで舞師として育てられ、今にいたるのだろう。


「でも・・・その話を、知っても知らなくても、私の生い立ちは、何もかわらないわ。
私は生きていたら、二人のところに戻ってくるから。」

だから

待ってて・・・


その言葉を残し、彼女はキャラバンとともに、水宮へ旅立った。

祝賀様に編成された大型の楽団と、総勢20名の舞師。
・・・帰りは、19人になってるかも知れない。

この舞師達は、剣舞のかわりに他の舞踏を要望された場合に備え、ジルが同行を取り計らったものだ。

また、何かおこっても、人数が多ければ、一人くらいは、状況を知らせに抜け出して来れる。


ジルの娘として、自分がやるべき事は何だろう?

オリビアは、黙々と歩きながら、水宮で成すべきことをシミュレーションする。