オリビアは、枕にしていた古書をめくりはじめた。

黒の革製の表紙は、すっかりいたんでいて、大きくナイフで『禁断の舞』と、文字が刻まれている。

そこには、剣舞にまつわる悲劇について印されていた。

数ページめくった余白には、糸でしっかり縫い合わされた、うつし絵があり、『マリオニート嬢の娘 オリビア』と、走りがきがついていた。


オリビア・・・


同名・・・


偶然にしては、悪かった。

自分と余りにも、絵姿の少女は似ていた。


絵の右下のタイトルらしき文字を、ただただ見つめていた。