「野性的な香りのする
オンナだな。」

ヴァイスも、おもしろそうに彼女を見つめた。

オリビアと呼ばれた女性は、艶やかな肉体に、しなやかな衣装をまとい、音楽に合わせて舞踊をはじめる。

指先まで緊張感のある動き、
歌い手の古典民謡が
一体となって酒場を飲み込んでいく。


柔軟な下肢

機敏な動きをみせる腕


男だけでなく、
商売女達も見入っている。

自分達も例外ではなかった。


彼女の舞は、とっくに終えていたけど、頭は痺れた様だった。
ソコに居た舞手の動きを、繰り返し思い出す。

「あれが、評判になってる舞師ですよ。」

バーテンが、酒をカウンターに置き際に言った。

「私は、世情に疎いもので、存ぜぬが、そんなに好評だったのですか?」

ディックが、柔らかな口調で、情報を引き出す。

「ご覧のとおりの舞です。
近辺の酒場では、兼ねてから有名ですよ。」

彼は、そう言って
仕事に戻っていった。


「オリビアか・・・
気に入った。いいオンナだ。」

「ヴァイス様?!」